高齢者婚活パーティーで出会って見事マッチングを果たした、
田中哲二さん（仮名・埼玉県）６０代の男性の方と、三浦加代さん（仮名・千葉県）５０代の女性の方。

再びキッチンの方へ向かう哲二さんに、加代さんは話しかけました。

加代「あの・・・」

哲二「え？」

加代「シャワーを借りてもいいかしら？」

やはりお風呂に入りたい気持ちが抑えられなかった加代さん。

哲二「あっ、そっか。うん、どうぞ。こっちだよ。」

と、加代さんを浴室に案内し、タオルなどを出したりして、

哲二「ごゆっくり。気兼ねなく使ってね。」

そう言うと、哲二さんはリビングに戻りました。

哲二「どうやら加代ちゃん、怒ってはいないみたいだけど・・・。確かに、最中に嫌がっているそぶりは・・・無かった、はず・・・。」

ブツブツと独り言をつぶやく哲二さん。

哲二「なんて言っていいものか、迷うなあ。すごく良かったよ、とか言うべきなのか？いやいや、俺にはできないよ・・・。」

ウロウロしながら、頭を抱えています。

哲二「どうだった？なんて聞くのもおかしいし。いっそその話題にはもう触れないで、飲み直して映画のDVDでも見ようって誘うか。」

ふと自分の下着だけの姿を全身鏡で見て、

哲二「あ、服を着なくちゃ。ええと、脱いだ服は・・・」

寝室に戻って服を探し始めました。
加代さんの服も出てきます。

哲二「加代ちゃんの服は畳んでおいておこう。俺の服は洗濯機に入れて、新しい部屋着に着替えてっと・・・」

着替えた哲二さんは、ゴロリとベッドに横になりました。
かすかに浴室からシャワーの音がします。

哲二（加代ちゃんが俺の家のシャワーを使ってる・・・）

ぼうっと考えていると、ウトウトとしてきて、

そのまま哲二さんは、すうっと眠りに落ちてしまいました。



＜続く＞